はじめに
デスク環境は、仕事の効率だけでなく、メンタルにも大きな影響を与えます。今回は、心理的に快適なデスク環境を作るためのポイントをご紹介します。
デスク環境がメンタルに与える影響
プリンストン大学の研究では、散らかった環境にいると視界に入る情報が多くなり、注意力が分散して集中しづらくなることがわかっています。また、カリフォルニア大学アーバイン校の調査によると、作業中に一度中断されると、再び集中状態に戻るまでに平均23分15秒かかるという結果も。さらに、コクヨの調べでは、書類や資料を探す時間が1日あたり20分、年間で約80時間にもなるそうです。これらのデータは、デスクを整えることが無駄を減らし、集中力や作業効率を高めるうえで大きな意味を持つことを示しています。

快適なデスク環境をつくる4つのポイント
① 必要なものだけを手元に置く

デスクの上を整理し、「頻繁に使うもの」「たまに使うもの」「ほぼ使わないもの」に分けて収納。不要なものは思い切って処分すると、スペースがスッキリします。
② 観葉植物や自然光を取り入れる

緑があるとリラックス効果が得られ、ストレスを軽減できます。可能なら窓際にデスクを配置し、自然光を活かしてみましょう。
③ 整理整頓アイテムを活用

ケーブルホルダーや収納ボックスを使って、デスク上の乱雑さを減らしましょう。特に、コード類の整理はスッキリ感に直結します。
④ ストレスを減らすアイテムの導入

アロマディフューザーや静音キーボードなど、五感にやさしいアイテムを選ぶことで、快適度が向上します。
習慣化のコツ
① 毎週5分の「デスクリセット」タイムを設ける
- 週末や週の始まりに5〜10分だけ片付ける時間を作り、使わないものは片づける。
- スマホのリマインダーやカレンダーに「デスク整理」の予定を入れて習慣化
② 片付けのハードルを下げる
- 書類は「捨てる」「保管」「処理中」に分けて整理
- 収納ボックスや引き出しの中をカテゴリー分けしてスムーズに片付けられるようにする
③ 視覚的な整理習慣をつける
- 机の上は「すぐに使うもの」だけを置くルールを決め、視覚的な情報を減らす。
- 朝の始業前に、ものを元の位置に戻してスタート
④ デスク環境を改善しながらアップデート
- 1ヶ月ごとに収納の見直しをして、より使いやすい環境に整える
- 実際に仕事で困ったことがあれば、それに合った整理グッズを試してみる。
まとめ
デスク環境の改善は、働く人の心理的な快適さに直結します。「使いやすさ」「整理整頓」「ストレスフリー」の3つを意識して、自分に合った快適な空間を作ってみましょう。
●参考文献●
プリンストン大学の研究(視覚的雑然さと集中力)
出典:McMains, S., & Kastner, S. (2011). Interactions of top-down and bottom-up mechanisms in human visual cortex. Journal of Neuroscience.
カリフォルニア大学アーバイン校の調査(中断による集中力回復)
出典:Gloria Mark et al. (University of California, Irvine)
コクヨの社内調査(書類探しの時間)
出典:コクヨ株式会社オフィス研究所(旧・ファニチャー事業本部)
